アーバングラビア株式会社【パンの包装工場】 さん


「ダメ出し道場」は、おちゃのこネット(https://www.ocnk.net/)に出店されている店舗様向けに配信されているメールマガジンの1コーナで弊社が担当しており、こちらの掲載に関しては、おちゃのこネット様の許可を得て掲載しております。

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【店舗名】   【パンの包装工場】
【URL】            http://www.pansizai.jp/
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【第一印象】
開いた瞬間に大きく目に飛び込む美味しそうなサンドイッチの画像
お、カフェかパン屋さん?と思いきや、パン屋さんの包装資材のお店ですね。

最も目立つ画像に意味を持たせる事が重要なのですが…
このお皿に乗った、しかも若干盛り付けが崩れたサンドイッチの画像は、「パンの包装資材ショップ」をイメージさせる画像とはちょっと見当違い?ではないでしょうか?

また「誰に」「何を」売りたいの? がイマイチわからない印象です。

個人客なのか?パン屋さん経営者なのか?
いったい「誰を」ターゲット(想定顧客)としているのか?

いわゆる「コンセプト」が不明瞭で、「なんとなくパン資材のお店」止まりです。

「全国のパン屋さん、おたくの包装資材に満足していますか?」

「ひやかし大歓迎!ぜひ一度お見積もりさせてください!」

「パン作りがお好きな個人のお客様にも大好評です!」

「パン以外にもこんな使い方が!」→用途提案

などなどのキャッチコピーがあれば自然とターゲットをイメージ出来、アクセスしたお客様も自分の目的にふさわしいお店かどうか?判断できるのです。

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また… 下記ページには 店長さんの顔写真と挨拶があったのですが…
http://www.pansizai.jp/page/17

惜しいのは「笑顔」で無いことです。

見知らぬ男性のスーツ姿の真面目な表情は、ほとんどの場合「好感」ではなく「緊張感」に繋がってしまいます。
スーツ姿の場合は大げさな位の「笑顔」で丁度良いくらいです。

また挨拶なら、むしろトップページで「いらっしゃいませ」に店長が顔を出すべきでしょう。

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【スキル:制作・デザイン】
バッサリ!  バナーや看板類が 素人っぽくショボイ。廃れた工場をイメージさせる。理由は線の細い弱々しいフォント(書体・字体)にあると思われます。

前回でも触れましたが、デザインにおけるフォント選びは実は、バナーやアイコンの絵柄や色形と同様に重要で、実に「素人」と「プロ」のセンスの差が歴然と表れる所なのです。

フォントが違うだけでお店や、商品、しいてはブランドの印象さえ変わります。パソコンを買ったときにたまたまインストールされていたわずか数種類の書体から安易に「まあこれでいいか!?」と選んでいませんか?

プロのデザイナーのパソコンには数百どころか数千種類のフォントが入っている事も珍しくありませんが、それだけ書体デザインのイメージで印象が替わる事を知っているからなのです。

また、クリスマスフェア!のバナーは、ツリーやベルのイラストを載せてなんとかクリスマス感を演出しようとされていますが…残念ながら、背景色が暗く、JPEG画像に文字を載せて圧縮しているために文字色がくすんで全体的にどんより暗く、全然クリスマスっぽく無いです。

一言で言うなら「ダサいバナー」です。

キツイ言い方ですみません。
でも【問題】は、このバナーが「ダサい」事そのものではありません。

本当にコワイのは…

「ホームページのデザインがダサいお店に、「袋」のデザインを任せても大丈夫なんだろうか?」

と言う、お客様の自然な連想なのです。

前回のアパレル店の際もそうですが…

販売している商品に「デザイン性」や「格好の良し悪し」が存在するお店では、お客様は、ホームページデザインと商品のデザインを知らず知らず連動してイメージされるものなのです。

おしゃれな商品はおしゃれな店構えのお店で…リアル店舗では当たり前の事ですよね!

想像してみてください。

いくらおしゃれなデザインの服やバッグでも、露天のテントやゴザ敷きのお店で売ってたら…あなたはそれを素敵!と思って買えますか?

いくら商品は良くても、印象の悪さや不安感が自然と沸き起こってきませんか?…そう言う事なのです。

つまり、商品デザインをプロに任せるのと同様、ショップデザインもプロの力を借りた方が良いと言うこと。

ここで言うプロとはキレイなページが作れるホームページデザインのプロでは無く「売れるショップ」を作れるショップページデザインのプロと言う点も要注意!)

どうしても独学して、自分で一から十までホームページをいじりたい!と言うネットショップ店長さんも多いのですが…そんな店長さんに、いつもする質問があります。

「あなたはホームページデザインをしたいんですか?それともお店で商品が売れるようにしたいんですか?」

前者であれば、売れなくても趣味としてどうぞ好きなだけホームページをいじっていてください。でも後者であればデザインはプロに任せて、あなたは商品企画や店舗経営に時間を費やしましょう!

ちょっとショップデザインについて長くなりましたが…ネットショップではどうしてもそこに無駄な時間を費やして肝心の商売・経営が疎かになるお店が多いので書かせていただきました。

スキル面では写真や見せ方・コピー文などまだまだ課題はありますが…このお店の場合はもっと大事な点がありますので、次にそれについて「ダメ出し!」します。(^^;)

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それは…【店舗構成】

冒頭にも触れましたが、「誰に」「何を」売りたいのか?が不明確で買いに来たお客さんも、どこをどう見て、どんな風に買い物すれば良いか?どこに求めている商品があるのか?がわかりにくいのです。

買いに来る人は皆が皆、包装資材に精通しているわけではありませんよね? 【目的】つまり、買いたい物の種類や名称、デザイン、数量が明確なお客様ばかりじゃないですよね?

ここが一般的な小売店と【大きく】違うところです!

買う客は商品だけでなく、プロの知恵やアドバイスも求めて専門店に来るのです。

「150×180の袋はどこにあっていくらなの?」と言うお客様よりも
「こんな用途でこんなイメージの袋が欲しいんだけど…一般的には
どんな袋を使うの?他店のデザイン事例は無いの?」

と言うお客様こそが貴店のターゲットでは無いのでしょうか?

前者は便利さと価格の安さだけを求め、他に安い店があればまたすぐ流れていくお客様ですが…

後者は貴店にとって、名入れ・ロゴ入れデザインもしてくれて、今後他の資材もオーダーしてくれる可能性のある、良いお取引のできる利益率のあがるお客様ではないですか?

そうであれば

「そうそう!ウチが作りたい袋はこう言うヤツなんだよ!」

を便利に素早く見つけていただき、とにかく気軽に「お問い合わせ」
いただく工夫が大切なのです。

・一覧性 (ずらっと一度に取扱商品が見られる事)
・ニーズ&要件別の商品分類(材質やサイズとは違う切り口)
・デザイン・製作事例 (どんな仕事ができるのか?商品があるのか?)
・お問い合わせ~ご注文の流れ

以上に気をつけて、サイトの構成を見直してみられると良いでしょう。

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【総評】
うーん、このお店はいわゆるBtoC(Business to Consumer=個人向け小売店)ではなくBtoB(Business to Business=業務用店)の色合いが濃いお店なので、もっと根本から戦略を見直せば大きく化ける可能性を秘めたお店だと思います。

現時点では事業規模や体制などは不明ですので、具体的なアドバイスが出来る事が限られますが、個別にご相談に来ていただければ、今まで気づいていらっしゃらない【強み】を見つけて新たなビジネスモデルのアイデアを色々出せるのでは無いかと思います。

言い換えれば、今のままでは細々とした小売ショップ止まりですが大きく「事業」にしたいならビジネスモデル・戦略から見直すべきだと言えるでしょう。

ネットショップはデザインよりビジネスモデル(商売)!なのです。
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【採点】40点!
ひととおり、ネットショップに挑戦してまずは一段落?されているなら、そろそろ見直して、次の一歩を踏み出す時期!?

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さて…

オンラインショップの本質は表のホームページからだけでは見えない接客や、梱包、配送、そして商品そのもの等、「裏」の強みや弱み、そして個別の事情によるのが当たり前です。

実際に、「売れる・儲かる」と言う部分は、実はこの見えないところにこそ本質的な秘密や課題があるものです。

この「ダメ出し!道場」の企画は、公開と言う性質上、あくまで表から見たお店の印象や、そこから類推できる範囲の改善点をお客様目線でご指摘するものですので、ご理解ください。

もっと突っ込んで、あなたのお店の事情や商品、人事、資金などの問題点や課題を洗い出したい!解決したい!強みを作りたい!と言う店舗さんは個別にご相談をお受けいたしますので、

「ダメ出し!道場見ました!」の件名にて
メールにて直接お気軽にご連絡くださいませ。
 info@style-e.com 太田まで。)